「マルモのおきて」芦田愛菜ちゃんの泣きの演技と天才女子役の系譜 [エンタメ]
「マルモのおきて」の最終回を見た。
バチバチの視聴率争いが話題となっていた裏番組の「JIN-仁-」は一足早く先週に最終回を迎えており、ライバル不在の今回の最終回は、おそらくかなり高い視聴率を記録するだろう。
全11話を全て見続けていた訳ではないのだが、たまたま見た時には芦田愛菜ちゃんが泣きの演技に入るたびにこちらの涙スイッチもすぐにオンになり、今日も何度もじんわり泣かされてしまった。
僕は本来、エンタメ作品の悲しい場面では滅多に泣いたことがなく、どちらかと言えば涙を誘う系の作品はあまり好きなほうではなかった。
にもかかわらず、大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」の第1話での小谷城の落城寸前に幼少期の茶々が父親の浅井長政と別れる時の愛菜ちゃんの健気な演技にも文句なく泣かされたし、どうも愛菜ちゃんにだけは敵わないといった状態が続いている。
何より、愛菜ちゃんの演技が上手いと思う。
その独特のコケティッシュで可愛らしい笑顔に、子役に有りがちな《こまっしゃくれ感》がない分、感情移入がしやすく、明るい場面の演技が前フリとなって、泣きの演技をより効果的に見せているというか。
「マルモのおきて」に関して言えば、第1話を見てすぐに、72年に石立鉄男が演じた「パパと呼ばないで」や80年に西田敏行が演じた「池中玄太80キロ」の現代版だなという印象を持った。
「パパと呼ばないで」は亡くなった姉の娘（5歳）を独身男が引き取って一緒に暮らす話であり、「池中玄太」は結婚する予定だった子持ちの女性の急逝に伴い、残された3人の娘を独身男が引き取って一緒に暮らす話だった。一方の「マルモ」は親友の急逝に伴い、幼い双子の子どもを引き取って一緒に暮らす設定になっており、子どもとの葛藤や絆を描く点、周囲の登場人物の役まわりなど、共通点は少なくない。
「池中玄太」のほうは3人姉妹の長女役の杉田かおるが思春期という年頃ゆえに玄太と衝突するエピソードも盛り込まれていたが、「マルモ」は子ども2人ともに幼い分、阿部サダヲ演じる高木護との葛藤なども分かりやすくシンプルな作りになっていた。
これまでエキセントリックな役どころを得意としてきた阿部サダヲだが、この「マルモ」で新境地を開拓したと言えるだろう。2人の天才子役に喰われることなく、受けの演技でも存在感を滲ませていた。
友樹役の鈴木福くんも実にいい味を出していた。
けれども、ドラマの核になっていたのは、やはり薫役の愛菜ちゃんの泣きの演技ではなかったか。
数日前に「ベストハウス123」で、愛菜ちゃんと同様に泣きの演技が得意だった天才子役の元祖は美空ひばりであるというミニ特集をやっていたが、確かにそうかもしれない。
天才女子役の系譜ということで言えば、戦前の中村メイコがその嚆矢と言っていい。
2歳の時にエノケンの主演映画「江戸っ子健ちゃん」でデビューしたメイコは「フクちゃん」や「エノケンの孫悟空」でも達者でコミカルな天才子役ぶりを発揮している。
戦後に登場した美空ひばりは天才少女歌手であると同時に、11～13歳の頃に出演した「びっくり5人男」「悲しき口笛」「東京キッド」といった映画で天才子役であることも証明してみせた。
テレビの時代になってからは、72年スタートの「パパと呼ばないで」のチーボー役の杉田かおる（開始当初7歳）、74年スタートの「鳩子の海」の斎藤こず恵（開始当初6歳）、83年スタートの「おしん」の小林綾子（開始当初10歳）がそれぞれ天才子役として一世を風靡し、全国の視聴者の涙を誘った。
91年にCMの「ハウス食品・咖喱（カリー）工房」のCMの「具がおいしい」のフレーズが流行語となって注目され（当時10歳）、94年には主演ドラマ「家なき子」で「同情するなら金をくれ」という台詞を流行らせた安達祐実の活躍も天才女子役史に残るものだった。
芦田愛菜ちゃんは安達祐実以来、久々に現れたスケールの大きな天才女子役なのだ。
先月でやっと7歳。これから当面は愛菜ちゃんの演技に泣かされ続けることになるのだろう。
http://www.youtube.com/watch?v=RGvHjSPai8U&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=NmrFdy-xiHE&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=5DHwP3IhMOU
http://www.youtube.com/watch?v=s_FMT7YH1tc
http://www.youtube.com/watch?v=v6_m7PrvxGE&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=TmQ3qcedkcM&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=Tuj6QMBQe5g
http://www.youtube.com/watch?v=MzXLq2qQQJI&NR=1
バチバチの視聴率争いが話題となっていた裏番組の「JIN-仁-」は一足早く先週に最終回を迎えており、ライバル不在の今回の最終回は、おそらくかなり高い視聴率を記録するだろう。
全11話を全て見続けていた訳ではないのだが、たまたま見た時には芦田愛菜ちゃんが泣きの演技に入るたびにこちらの涙スイッチもすぐにオンになり、今日も何度もじんわり泣かされてしまった。
僕は本来、エンタメ作品の悲しい場面では滅多に泣いたことがなく、どちらかと言えば涙を誘う系の作品はあまり好きなほうではなかった。
にもかかわらず、大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」の第1話での小谷城の落城寸前に幼少期の茶々が父親の浅井長政と別れる時の愛菜ちゃんの健気な演技にも文句なく泣かされたし、どうも愛菜ちゃんにだけは敵わないといった状態が続いている。
何より、愛菜ちゃんの演技が上手いと思う。
その独特のコケティッシュで可愛らしい笑顔に、子役に有りがちな《こまっしゃくれ感》がない分、感情移入がしやすく、明るい場面の演技が前フリとなって、泣きの演技をより効果的に見せているというか。
「マルモのおきて」に関して言えば、第1話を見てすぐに、72年に石立鉄男が演じた「パパと呼ばないで」や80年に西田敏行が演じた「池中玄太80キロ」の現代版だなという印象を持った。
「パパと呼ばないで」は亡くなった姉の娘（5歳）を独身男が引き取って一緒に暮らす話であり、「池中玄太」は結婚する予定だった子持ちの女性の急逝に伴い、残された3人の娘を独身男が引き取って一緒に暮らす話だった。一方の「マルモ」は親友の急逝に伴い、幼い双子の子どもを引き取って一緒に暮らす設定になっており、子どもとの葛藤や絆を描く点、周囲の登場人物の役まわりなど、共通点は少なくない。
「池中玄太」のほうは3人姉妹の長女役の杉田かおるが思春期という年頃ゆえに玄太と衝突するエピソードも盛り込まれていたが、「マルモ」は子ども2人ともに幼い分、阿部サダヲ演じる高木護との葛藤なども分かりやすくシンプルな作りになっていた。
これまでエキセントリックな役どころを得意としてきた阿部サダヲだが、この「マルモ」で新境地を開拓したと言えるだろう。2人の天才子役に喰われることなく、受けの演技でも存在感を滲ませていた。
友樹役の鈴木福くんも実にいい味を出していた。
けれども、ドラマの核になっていたのは、やはり薫役の愛菜ちゃんの泣きの演技ではなかったか。
数日前に「ベストハウス123」で、愛菜ちゃんと同様に泣きの演技が得意だった天才子役の元祖は美空ひばりであるというミニ特集をやっていたが、確かにそうかもしれない。
天才女子役の系譜ということで言えば、戦前の中村メイコがその嚆矢と言っていい。
2歳の時にエノケンの主演映画「江戸っ子健ちゃん」でデビューしたメイコは「フクちゃん」や「エノケンの孫悟空」でも達者でコミカルな天才子役ぶりを発揮している。
戦後に登場した美空ひばりは天才少女歌手であると同時に、11～13歳の頃に出演した「びっくり5人男」「悲しき口笛」「東京キッド」といった映画で天才子役であることも証明してみせた。
テレビの時代になってからは、72年スタートの「パパと呼ばないで」のチーボー役の杉田かおる（開始当初7歳）、74年スタートの「鳩子の海」の斎藤こず恵（開始当初6歳）、83年スタートの「おしん」の小林綾子（開始当初10歳）がそれぞれ天才子役として一世を風靡し、全国の視聴者の涙を誘った。
91年にCMの「ハウス食品・咖喱（カリー）工房」のCMの「具がおいしい」のフレーズが流行語となって注目され（当時10歳）、94年には主演ドラマ「家なき子」で「同情するなら金をくれ」という台詞を流行らせた安達祐実の活躍も天才女子役史に残るものだった。
芦田愛菜ちゃんは安達祐実以来、久々に現れたスケールの大きな天才女子役なのだ。
先月でやっと7歳。これから当面は愛菜ちゃんの演技に泣かされ続けることになるのだろう。
http://www.youtube.com/watch?v=RGvHjSPai8U&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=NmrFdy-xiHE&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=5DHwP3IhMOU
http://www.youtube.com/watch?v=s_FMT7YH1tc
http://www.youtube.com/watch?v=v6_m7PrvxGE&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=TmQ3qcedkcM&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=Tuj6QMBQe5g
http://www.youtube.com/watch?v=MzXLq2qQQJI&NR=1
2011-07-04 02:49
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