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【西条昇の昭和喜劇史研究】戦前の東宝国民劇のパンフ [軽演劇]

手元にある、昭和16年3月の東京宝塚劇場での第一回「東宝国民劇」公演のパンフ。
出演は東宝榎本健一一座、東宝舞踊隊、東宝声楽隊。
四本ある演目のうち、目玉は何と言っても、新日本レヴュウ「エノケン龍宮へ行く」で、パンフ表紙にも同作品の一場面が描かれている。
浦島太郎に題材を取った同作品の作・演出は宝塚少女歌劇で「パリゼット」「ローズ・パリ」「サルタン・バンク」「花詩集」などの傑作レヴューを手掛けた白井鐵造で、この「エノケン龍宮へ行く」が白井の東宝入社第一回作品である。
浅草レヴューを代表するエノケンと宝塚レヴューの礎を作った白井鐵造という何とも魅力的な組み合わせに加え、当時は東宝宝塚劇場の社長を務めていた秦豊吉が製作総指揮的な立場で関わっていた。
この後も東宝国民劇の公演は続けられたが、太平洋戦争の開戦と共に戦意高揚劇としての意味合いが強くなり、レヴュー本来の魅力を失っていく。
「エノケン龍宮へ行く」が戦前の日本のレヴューの最後の華だったと言えるだろう。
2018-04-21T11:29:58.jpg

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