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新春滝沢革命におけるジャニーさんらしさについて [ジャニーズ]

先月に帝国劇場で見たジャニーさん作・構成・演出の新春滝沢革命について、思いつくまま書いてみようと思う。

同公演は今年で上演三年めになるが、一年めに初めて見た時は、やはり、あの水文字の仕掛けに驚かされたものだ。
舞台前面の天井から降って来る雨のカーテンが開いたり閉じたりしたかと思えば、筆で書いたような「滝」「沢」「革」「命」といった横幅数メートルの大きな文字の形の水が一文字ずつザッザッと降ってきたり、雨のカーテンの中にハートやスペードとかのところだけくり抜かれたようになっていてタッキーやはっしーが水に濡れないようにタイミングを計ってその中をくぐり抜けようとしたり、ラストの場面にフライングで客席の頭上を飛ぶタッキーが身体から水を滴らせながら雨のカーテンを何度も突っ切ってみせたり。
初めて見る演出の連続にワクワクドキドキさせられ通しだった。
日本の古い伝説や昔話をモチーフとした場面が出てくることでは、同じジャニーさん作・構成・演出の滝沢演舞城と共通するのだが、歌舞伎も上演される新橋演舞場での滝沢演舞城が<和>の要素が強いのに対し、数々のブロードウェイミュージカルが上演されてきた帝国劇場での新春滝沢革命は全体的に<洋>のイメージで仕上がっていた。
こうした、その劇場のカラーを取り入れて作品を作っていくのも、ジャニーさんの舞台作りの特徴の一つと言えるだろう。

二年めの時は、昼の部が森光子の半生をモチーフとした新春人生革命、夜の部が新春滝沢革命という、昼と夜で内容の違う公演形式で、これもまた、ジャニーさんらしいチャレンジだなと思った。

三年めの今年は、一年め、二年めと比べて、内容が大きくリニューアルされていた。
ジャニーさんの作品は公演のたびにリニューアルを繰り返すのが特徴なのだが、とりわけ、今回は大きく手が加えられており、その新しい部分がいずれも成功を収めていた。
一年め、二年めの時はタッキーの仲間のキスマイのメンバーの中から裏切り者が出て、父親役の錦織くんが裏で糸を引いていたことが最後に分かるのだが、今回はベテラン女優の大空眞弓扮する紀伊の王妃と、中山優馬くん扮するタッキーの弟という役どころが新しく加えられたことで、ストーリー設定がより明確になっていた。
タッキーの母親を死に追いやった紀伊の王妃は悪の女王というイメージに徹し、その王妃に洗脳されて敵側に回る優馬くんとタッキーとの兄弟の葛藤が描かれ、父親役の錦織くんはその間に入ってラストで紀伊の王妃と対決するタッキーを支援する。
大空眞弓さすがの貫禄、優馬くんは去年のプレゾンに続く大健闘、錦織くんもこのほうが飄々とした持ち味が活きた。
ラストの決戦の場面で、ステージ奥にあった滝というかダム的なものが王妃の命令とともに決壊すると、物凄い量の水が正面に向かってドバーっと流れてくるのだが、その迫力たるや、映画を見ているようだった。
そして、敵味方、水を跳ね上げながらの殺陣の迫力にも圧倒された。
スペクタクルの面白さという点では、間違いなく日本の演劇史に残るものだろう。

9・11の直後の『SHOCK』では「頑張れ、ニューヨーク」といったメッセージを取り入れたり、ジャニーさんの演出はその時々のトピックを取り入れていくことが多いが、今回は帝国劇場の開場100周年ということで、タッキーたちが100年前の帝劇にタイムスリップする場面が作られていた。

あらゆる意味で、すごくジャニーさんらしさの詰まった作品である。
ジャニーズファンじゃないかたもスペクタクル・エンターテイメントショーとして楽しめることは間違いない。
当日お会いしたジャニーさんに「物凄く面白かったです」とお伝えしたが、そうした言葉だけでは伝えきれない満足感が残った。

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