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森光子さんのご冥福をお祈り致します [ジャニーズ]

森光子さんが亡くなられた。
「放浪記」「ツキコの月 そして、タンゴ」の取材で何度かお会いし、2005年にはロングインタビューもさせて頂いた。
その時はすごくお元気で、12歳の頃に見たターキーこと水の江瀧子さんの松竹少女歌劇の舞台の主題歌を覚えてらして、その場でアカペラで歌って下さったりして、その記憶力にも驚かされた。
森さんは、シリアスから喜劇までこなす名女優であるのはもちろん、歌もコントも司会も出来るエンターテイナーでもあった。そういった意味で、<ジャニーズの母>というのも大納得だな。
「時間ですよ」での森さんの軽くてサバサバとした演技も大好きだった。堺正章さんや樹々希林さんのコミカルな演技をサラリと受けて見せるのも何とも巧かった。
笑いの分野でも、天才女流漫才師の初代ミス・ワカナに可愛がられ、大阪のテレビ・ラジオでダイマル・ラケットやミヤコ蝶々との絡みで笑わせ、東宝の舞台ではエノケンにアドリブでツッコミ、ドリフとのコント特番での爆発汚れメイクも忘れられない。他に居ないタイプの大女優だったと言えるだろう。
森さん扮するミス・ワカナ、芦屋雁之助さん扮する玉松一郎による舞台「おもろい女」は何度も見に行った。二人のワカナ・一郎の漫才場面での森さんのワカナばりの日本各地の方言の使い分けや小気味良いタンカが実に見事だった。ワカナの芸風は森さんと蝶々さんの二人に受け継がれたと言っていいのでは。
最後に見た森さんの舞台は、タッキーやキスマイやA.B.C-Zと共演の帝劇での「人生革命」だった。森さんの人生をモチーフに、ジャニー喜多川氏が構成した、森さんの集大成とも言うべき内容になっていた。
少女時代にターキーの松竹少女歌劇のレヴューの虜になったのが芸能界入りのキッカケの森さんが、レヴュー的要素の多いジャニーズのステージにシンパシーを感じられたのも納得できる。プレゾンなどのジャニーズの舞台について「層が厚くなってきましたねえ」と語っておられた。
様々なニュース報道を見ていて気になったのは、どこも衆院解散決定のほうがトップで延々と流されていたことだ。衆院解散よりも森光子さんが亡くなられたことのほうが、日本の文化の歴史の中で見れば、トップ・ニュースとして扱われるべきと思うのは、僕だけなのかな。
我々の身近な現実的な損得に関わる問題では、衆院解散の方がトップ・ニュースかも知れないが、芸術やエンターテイメントが我々に与えてくれる感動や癒しは現実的な損得を大きく超えたものだと僕は思う。文化史的な視点では森光子さんが亡くなられたことが先に報道されるべきだろう。損得より感動で生きたいな。
森光子さんのご冥福を心からお祈り致します。
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