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【西条昇の軽演劇コレクション】新宿東宝映画劇場の実演アトラクション(高勢実乗、シミキン、益田喜頓、岸井明、服部良一)のパンフレット [軽演劇]

日劇などの大劇場では早くから映画と実演を併せて提供していたが、戦時色が強まるにつれ、軽演劇を実演アトラクションとして見せる映画館が増えていった。
中でも、新宿東宝映画劇場など都心の東宝系映画館での実演アトラクションは、メンバー的にも内容的にもかなりレベルが高かったと言える。
手元にある昭和16年の太平洋戦争が開戦する数ヶ月前までの新宿東宝映画劇場のパンフレットには、高勢実乗劇団、岸井明や益田喜頓や中川三郎らのボードビル・ショウ、シミキンこと清水金一とその一党などの実演が紹介されている。

「あーのね、オッサン。わしゃ、かなわんよー」というフレーズで一世を風靡した高勢実乗の率いる劇団の出し物は、マゲモノナンセンス「オッサンの底力」。
もともと時代劇映画の悪役から喜劇俳優へ転じた高勢が漫画チックなメイクで画面に登場し、その決め台詞を独自の言い回しで口にしただけで、当時の観客は笑い転げたという。
今、残されている映画を見ると、高勢の登場する時間は短いものの、強烈なキャラクターで、主役のエノケンやロッパを完全に喰ってしまっている。
「オッサンの森の石松」などのSPレコードの音源を聞いても、「あーのね、オッサン」の連呼また連呼で、あくどいまでに笑いを誘う。
生の舞台でも「あーのね、オッサン」を連呼しまくったことだろう。
高勢の娘は戦後の吉本新喜劇に出演していた高勢ぎん子だが、高勢実乗自身も売り物のギャグ・フレーズで押す吉本新喜劇のコメディアンたちと芸風的に共通するものがあったと思う。

益田喜頓はこの時期、吉本から新興キネマ演芸部へ移籍した「あきれたぼういず」を単身離れて、東宝の実演メンバーに加わっていた。
更に、米国から帰国後に吉本ショウで活躍したタップダンサーの中川三郎、重い体重と裏腹に軽くて甘い歌声での「煙草屋の娘」「ダイナ」「唄の世の中」といったコミックソングが売り物の<歌う喜劇俳優>岸井明、「山寺の和尚さん」で「♪ダガジクダガジクダガジクダガジク エイホホー」と歌った和製ジャズ・コーラス・グループのコロムビアリズムボーイズ、編曲指揮が直前まで松竹楽劇団に居た服部良一…。
彼らの作り出すボードビル・ショウは映画館のアトラクションにはもったいないほど、センスが良く、クオリティーの高いものだったろう。

清水金一は昭和15年2月に浅草オペラ館の座長格から引き抜かれて東宝で三本の主演映画を撮った後、実演が多くなっていた。
この後、浅草に戻って「新生喜劇座」を旗揚げし、その明るい芸風で暗い時代の観客たちにとっての心のよりどころとも言うべき役割を担ってみせた。

現在、西条昇は、戦前の浅草レヴュー・軽演劇のパンフレット・チラシ類の資料や、戦後の浅草フランス座、浅草ロック座、浅草東洋劇場、浅草公園劇場、浅草ロマンス劇場、浅草百万弗劇場、浅草国際セントラル、浅草小劇場(ショウ劇場)、浅草座、カジノ座、美人座、奥山劇場(奥山ミュージック)、大都劇場、スミダ劇場(ピカデリーショウ)、新宿フランス座(新宿ミュージックホール)、新宿セントラル、新宿ニュー内外ミュージック、新宿モダンアート、池袋フランス座、池袋文化劇場、池袋アウ゛ァン座(アバンギャルド)、池袋スカイ劇場、日劇小劇場、銀座コニーバーレスク、東劇バーレスクルーム、江東パリー座、五反田オデオン座、蒲田ミュージックホール、渋谷テアトルSS、渋谷道頓堀劇場、早稲田全線座、川崎セントラル、横浜セントラル、横浜新世界、名古屋の港座、納屋橋中央劇場、富士劇場、カイケイ座(開慶座)、銀映、名古屋ミュージックホール、岐阜セントラル、KBK劇場、真砂座、京都の京極小劇場、富貴、大宮劇場、伏見ミュージック、豊橋の東海劇場、大阪の道頓堀劇場(道劇ミュージック)、温泉劇場(温劇)、弥生座(PBショウ)、泉座、木川劇場、九条OS、ダイコーミュージック、千中ミュージック、尼崎の三和劇場、二光劇場、神戸の新開地劇場、寿座、金沢の立花劇場、岡山文化劇場、広島の廣栄座、徳島のSY松竹、下関の豊前座、熊本の文化劇場、福岡の川丈座(テアトル川丈)、柳橋劇場、西日本劇場などの幕間コントありのストリップ(バーレスク)ショーのパンフレット・チラシ・ポスターを集めています。
これらをお持ちの方いらっしゃっいましたら、ぜひ、適価でお譲り頂けたら幸いです。
コピーをとらせて頂くだけでも構いません。
このblogの左側のバーの西条昇のプロフィール欄に掲載されている西条事務所担当者のメルアドにご連絡下さい。

また、当時のショー・軽演劇に出演されていたコメディアン・女優・踊り子さん、ショー作者、振付師、劇場スタッフの方々のお話もぜひ、伺いたく存じます。
特に西条は、執筆調査のため、浅草の大都劇場やロック座やフランス座や東洋劇場に出演されていた、高杉由美さん、園はるみさん、伊吹まりさん、川口初子さん、津田紅子さん、柳登世さん、べテイ丸山さん、浪路笑さん、ヒロセ元美さん、千代笑子さん、奈良あけみさん、メリー松原さん、グレース松原さん、朝霧幾世(リリー丘)さん、エミー美山さん、一条ゆかり(摩耶ジュリ)さん、三冬マリさん、高原由紀さん、栗田照子さん、浅草待子さん、長谷川あけみさん、炎加世子さん、天津くるみさんといった方々にお話を伺いたく、その消息とご連絡先を探しています。ご存知の方いらっしゃっいましたら、ぜひ、よろしくお願いいたします。

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