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【西条昇の軽演劇コレクション】帝劇ミュージカルスのパンフレット [軽演劇]

僕が生まれる以前に上演された日本のレヴュー&ショー&軽演劇といったジャンルのエンターテイメントの公演で、何としても見てみたかったものの一つに昭和26年2月〜同29年3月の帝劇ミュージカルスがある。
帝劇は昭和25年7月から同30年7月まで東宝から離れて別会社になっており、公職追放が解けて帝劇社長に就任した秦豊吉によって大劇場ならではのオリジナル・ミュージカルの公演が企画された。
秦は宝塚歌劇や東宝の創設者である小林一三に迎えられて以降、戦前は宝塚歌劇の欧州公演、男女混合レヴューの日劇ダンシングチームの創設、「東宝国民劇」の立ち上げを成功させ、戦後に初めて女性の裸体を舞台で見せた帝都座ショウの名画アルバム(通称・額縁ショウ)の企画プロデュースや浅草ロック座の立ち上げにも関わるなど、日本の興行界において様々な実績があった。
帝劇ミュージカルスには、古川緑波と当時はまだ現役のタカラジェンヌだった越路吹雪による第一回の「モルガンお雪」以降、エノケン、笠置シヅ子、新進コメディアンだった森繁久弥、有島一郎、三木のり平、トニー谷、日劇ダンシングチーム出身のダンサーたち、現役のタカラジェンヌたち、売れっ子のストリッパー&ヌード・ダンサーたちなどが出演している。
今では現役タカラジェンヌとストリッパーが同じ公演の舞台に立つなど、とても考えられないだろう。
もちろん、これは秦豊吉だからこそ実現できたキャスティングではあるが、色々なジャンルに分かれてしまった現在の演劇界・興行界から見ると、何とも魅力的な舞台に思える。
喜劇人としてのエノケンやロッパはすでに全盛期を過ぎていたが、オペレッタやミュージカル喜劇の中で自分を活かす術は充分に心得ており、エノケン・ロッパの二人にとって最後の華と言うべき舞台になったのではないか。
また、秦豊吉にとっても、その集大成と言える舞台シリーズとなったと言えるだろう。

帝劇ミュージカルスの終了と入れ替わるように、昭和31年1月から前年に東宝演劇担当重役に就任した菊田一夫による東宝ミュージカルス公演が東京宝塚劇場でスタートしている。
主な出演者も、エノケン、越路、有島、のり平、トニー谷など、帝劇ミュージカルス時代からのメンバーが中心となっていた。
しかし、ショーやミュージカルやレヴュー志向の秦ミュージカルスと、アチャラカ喜劇や文芸ドラマ志向の菊田ミュージカルスとでは、そのアプローチ的に、前者のほうがミュージカル・ショーとしてのクオリティーが高かったと思われる。
少なくとも、僕はショー的舞台の作り手としては秦のセンスや考え方のほうが好きである。

第一回の「モルガンお雪」はコミック・オペラの肩書きがあり、第三回の「お軽と勘平」ではミュージカル・コメディーと銘打ち、第四回の「浮かれ源氏」から帝劇ミュージカルスと名乗るようになった。
ミュージカルスのスが何を意味するかは秦のみぞ知るところで、おそらくミュージカル集団といった意味合いをあわらすための造語だったのだろう。
菊田も第一回だけ東宝ミュージカルスという公演名を採用したが、第二回公演からはスを取り、東宝ミュージカルと銘打っている。
一方、松竹が昭和31年11月に浅草・常盤座でスタートさせた「松竹浅草ミュージカルス」はスも入れたネーミングを受け継ぎ、吉本興業も昭和60年前後までなんば花月やうめだ花月の公演の中で「吉本ポケットミュージカルス」を上演していた。

現在、西条昇は、戦前の浅草レヴュー・軽演劇のパンフレット・チラシ類の資料や、戦後の浅草フランス座、浅草ロック座、浅草東洋劇場、浅草公園劇場、浅草ロマンス劇場、浅草百万弗劇場、浅草国際セントラル、浅草小劇場(ショウ劇場)、浅草座、カジノ座、美人座、奥山劇場(奥山ミュージック)、大都劇場、スミダ劇場(ピカデリーショウ)、新宿フランス座(新宿ミュージックホール)、新宿セントラル、新宿ニュー内外ミュージック、新宿モダンアート、池袋フランス座、池袋文化劇場、池袋アウ゛ァン座(アバンギャルド)、池袋スカイ劇場、日劇小劇場、銀座コニーバーレスク、東劇バーレスクルーム、江東パリー座、五反田オデオン座、蒲田ミュージックホール、渋谷テアトルSS、渋谷道頓堀劇場、早稲田全線座、川崎セントラル、横浜セントラル、横浜新世界、名古屋の港座、納屋橋中央劇場、富士劇場、カイケイ座(開慶座)、銀映、名古屋ミュージックホール、岐阜セントラル、KBK劇場、真砂座、京都の京極小劇場、富貴、大宮劇場、伏見ミュージック、豊橋の東海劇場、大阪の道頓堀劇場(道劇ミュージック)、温泉劇場(温劇)、弥生座(PBショウ)、泉座、木川劇場、九条OS、ダイコーミュージック、千中ミュージック、尼崎の三和劇場、二光劇場、神戸の新開地劇場、寿座、金沢の立花劇場、岡山文化劇場、広島の廣栄座、徳島のSY松竹、下関の豊前座、熊本の文化劇場、福岡の川丈座(テアトル川丈)、柳橋劇場、西日本劇場などの幕間コントありのストリップ(バーレスク)ショーのパンフレット・チラシ・ポスターを集めています。
これらをお持ちの方いらっしゃっいましたら、ぜひ、適価でお譲り頂けたら幸いです。
コピーをとらせて頂くだけでも構いません。
このblogの左側のバーの西条昇のプロフィール欄に掲載されている西条事務所担当者のメルアドにご連絡下さい。

また、当時のショー・軽演劇に出演されていたコメディアン・女優・踊り子さん、ショー作者、振付師、劇場スタッフの方々のお話もぜひ、伺いたく存じます。
特に西条は、執筆調査のため、浅草の大都劇場やロック座やフランス座や東洋劇場に出演されていた、高杉由美さん、園はるみさん、伊吹まりさん、川口初子さん、津田紅子さん、柳登世さん、べテイ丸山さん、浪路笑さん、ヒロセ元美さん、千代笑子さん、奈良あけみさん、メリー松原さん、グレース松原さん、朝霧幾世(リリー丘)さん、エミー美山さん、一条ゆかり(摩耶ジュリ)さん、三冬マリさん、高原由紀さん、栗田照子さん、浅草待子さん、長谷川あけみさん、炎加世子さん、天津くるみさんといった方々にお話を伺いたく、その消息とご連絡先を探しています。ご存知の方いらっしゃっいましたら、ぜひ、よろしくお願いいたします。

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