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【西条昇の軽演劇コレクション】伊東劇場、浅草松竹演芸場、新開地・寿座でのデン助劇団(大宮敏光一座)のパンフレット&チラシ [軽演劇]

浅草の軽演劇史上、デン助劇団こと大宮敏光(のちに敏充に改名)一座が果たした役割は非常に大きい。
昭和21年に浅草松竹演芸場に一座を率いて出演以来、昭和48年に解散するまで常打ち劇団として定着。
昭和20年代〜40年代半ばという浅草の軽演劇が壊滅寸前の状態にあった時期に、デン助の人気で孤塁を守り続けてみせたのだ。
一時期は民放テレビ各局にデン助がメインのレギュラー番組を持ち、中でもNET(現在のテレビ朝日)の「デン助劇場」は長く続いた。
ハゲヅラにどんぐり眼、口の周りに描いたヒゲメイク、メリヤスシャツと腹巻の上に背広を着たデン助のキャラクターで首を微妙に振りながら登場するだけで、客席はドッと沸いていた。
手で触れるとバネ仕掛けで頭がボヨンボヨンと揺れるデン助人形はキャラクター商品として大ヒットし、僕も凄く欲しかった記憶がある。
何でも嫌と言えない見栄っ張りの下町気質で、面倒なことでも「デンと任せろ!」と引き受けてしまい、そこから起きる騒動をどう終結させるかというのがデン助喜劇の基本的構造になっていた。
元・シミキン一座の織田重夫扮する町内の為吉という気弱で飄々としたキャラクターの友人をデン助が突っ込むやり取りは面白かったが、人情喜劇的な泣かせの部分もあり、今思えば笑いはさほど多くなかったように思う。
萩本欽一や橋達也といった昭和30年代半ばに喜劇役者を目指した若者はデン助に憧れて弟子入り志願をしたが叶わずに、東洋興業に入ってコメディアンになっている。
もともと浅草の軽演劇はレヴューと共に上演され、モダンな感覚に基づいて成立したものだが、時代の変化による浅草興行街の衰退に伴い、デン助喜劇は下町の人情を売り物とし、古さに開き直ったような形で、関東地方から来る観客たちを満足させていた。
昭和40年代半ばになると、渥美清扮する寅さんが新しい下町喜劇の顔となり、デン助劇団はその役割を果たし終えたかのように解散となった。
僕もその頃は寅さんシリーズのほうを追いかけるようになっていたが、新宿コマ劇場の「エノケン・ロッパ物語」に大宮敏充がデン助そのままの扮装とメイクで登場した時は凄く嬉しかったな。
また、劇団解散後にレギュラー出演していたフジテレビの時代劇ドラマ「ぶらり信兵衛 道場破り」での夜泣き蕎麦屋の重助じいさん役の大宮敏充も味があって好きだった。大宮の急逝後、この役は浅草軽演劇出身の名優・藤原釜足に代わったが、この役に関しては大宮の味を買う。

手元のパンフレットのデン助劇団の配役表に載っている河野通夫という当時の若手役者が、現在の浅草を取り上げたテレビ番組にやたらに高いテンションで必ず顔を出すくじら屋の捕鯨船(捕鯨舩)の大将の河野さんである。
デン助劇団を辞めた河野さんが結成した青春コンビは、浅草松竹演芸場の客席の背もたれの部分をポンポンと飛び歩いて舞台に戻ってくるのが売り物だった。僕もその様子を見た記憶があるが、これは空席がないと出来ない芸で、それだけ当時の演芸場は満員じゃない日が多かったということだろう。

現在、西条昇は、戦前の浅草レヴュー・軽演劇のパンフレット・チラシ類の資料や、戦後の浅草フランス座、浅草ロック座、浅草東洋劇場、浅草公園劇場、浅草ロマンス劇場、浅草百万弗劇場、浅草国際セントラル、浅草小劇場(ショウ劇場)、浅草座、カジノ座、美人座、奥山劇場(奥山ミュージック)、大都劇場、スミダ劇場(ピカデリーショウ)、新宿フランス座(新宿ミュージックホール)、新宿セントラル、新宿ニュー内外ミュージック、新宿モダンアート、池袋フランス座、池袋文化劇場、池袋アウ゛ァン座(アバンギャルド)、池袋スカイ劇場、日劇小劇場、銀座コニーバーレスク、東劇バーレスクルーム、江東パリー座、五反田オデオン座、蒲田ミュージックホール、渋谷テアトルSS、渋谷道頓堀劇場、早稲田全線座、川崎セントラル、横浜セントラル、横浜新世界、名古屋の港座、納屋橋中央劇場、富士劇場、カイケイ座(開慶座)、銀映、名古屋ミュージックホール、岐阜セントラル、KBK劇場、真砂座、京都の京極小劇場、富貴、大宮劇場、伏見ミュージック、豊橋の東海劇場、大阪の道頓堀劇場(道劇ミュージック)、温泉劇場(温劇)、弥生座(PBショウ)、泉座、木川劇場、九条OS、ダイコーミュージック、千中ミュージック、尼崎の三和劇場、二光劇場、神戸の新開地劇場、寿座、金沢の立花劇場、岡山文化劇場、広島の廣栄座、徳島のSY松竹、下関の豊前座、熊本の文化劇場、福岡の川丈座(テアトル川丈)、柳橋劇場、西日本劇場などの幕間コントありのストリップ(バーレスク)ショーのパンフレット・チラシ・ポスターを集めています。
これらをお持ちの方いらっしゃっいましたら、ぜひ、適価でお譲り頂けたら幸いです。
コピーをとらせて頂くだけでも構いません。
このblogの左側のバーの西条昇のプロフィール欄に掲載されている西条事務所担当者のメルアドにご連絡下さい。

また、当時のショー・軽演劇に出演されていたコメディアン・女優・踊り子さん、ショー作者、振付師、劇場スタッフの方々のお話もぜひ、伺いたく存じます。
特に西条は、執筆調査のため、浅草の大都劇場やロック座やフランス座や東洋劇場に出演されていた、高杉由美さん、園はるみさん、伊吹まりさん、川口初子さん、津田紅子さん、柳登世さん、べテイ丸山さん、浪路笑さん、ヒロセ元美さん、千代笑子さん、奈良あけみさん、メリー松原さん、グレース松原さん、朝霧幾世(リリー丘)さん、エミー美山さん、一条ゆかり(摩耶ジュリ)さん、三冬マリさん、高原由紀さん、栗田照子さん、浅草待子さん、長谷川あけみさん、炎加世子さん、天津くるみさんといった方々にお話を伺いたく、その消息とご連絡先を探しています。ご存知の方いらっしゃっいましたら、ぜひ、よろしくお願いいたします。

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