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【西条昇の軽演劇コレクション】浅草・東京花月劇場(吉本ショウ)のパンフレット [軽演劇]

前回に触れた「あきれたぼういず」は浅草の東京花月劇場(のちに浅草花月劇場の表記に)の「吉本ショウ」に出演していたメンバー四人によって昭和12年に結成され、たちまち東京中の人気をさらった。
東京花月劇場を所有していたのは、当時、関西のみならず東京・横浜にも多くの劇場を持っていた吉本興業である。
吉本はすでに、遊楽館、昭和座、万成座などの浅草の劇場を持っていたが、東京吉本の象徴的ホームグラウンドとするべく昭和10年に万成座の隣りに定員700人規模の東京花月劇場をオープンさせた。
手元のパンフレットにある「映画とレヴュウと漫才のショウ劇場」というキャッチフレーズの通り、東宝系の封切り映画に加え、柳家三亀松や石田一松らの豪華な演芸陣と永田キングや大竹タモツらの軽演劇陣が出演。更に、横山エンタツ、花菱アチャコ、柳家金語楼など吉本の顔というべき大御所たちが出演することもあった。
こうした多彩なプログラムの中で、吉本が東京花月劇場の目玉にするべく力を注いだのが「吉本ショウ」である。
当時流行の浅草レヴューやアメリカ風ボードビル・ショーの流れを汲んだ吉本独自のショー・チームとして結成され、当初はアメリカ帰りの中川三郎のタップダンスを中心に構成されていた。
当時の吉本ショウの楽しさは瀬川昌久・著「ジャズで踊って」の中に詳しく記されており、戦時色が濃くなるまでの数年間がモダンでセンスの良いエンターテイメント・ショーとしての絶頂期と言えた。
作家の高見順は吉本ショウの踊り子を目当てに東京花月劇場に通いつめ、小説「如何なる星の下に」を書いた。
吉本ショウから生まれたあきれたぼういずが新興キネマに引き抜かれて分裂後、吉本は残留した川田義雄が中心のミルク・ブラザースと、声帯模写の木下華声が中心のザツオン・ブラザースを結成させ、急場を凌いでいる。
しかし、その木下華声も、間もなく「あひる艦隊」を率いて新興キネマ演芸部に加入してしまう。
昭和15年には東京花月劇場と同じ浅草六区の松竹座が新興キネマ演芸部公演を行い、第二次あきれたぼういずやワカナ・一郎らが出演した。

僕が物心ついた頃には浅草花月はすでに映画館に転向しており、閉館される前に何度か映画を見に入ったが、映画そのものより、ここがあきれたぼういずが出ていた劇場か…という思いに浸った記憶がある。

現在、西条昇は、戦前の浅草レヴュー・軽演劇のパンフレット・チラシ類の資料や、戦後の浅草フランス座、浅草ロック座、浅草東洋劇場、浅草公園劇場、浅草ロマンス劇場、浅草百万弗劇場、浅草国際セントラル、浅草小劇場(ショウ劇場)、浅草座、カジノ座、美人座、奥山劇場(奥山ミュージック)、大都劇場、スミダ劇場(ピカデリーショウ)、新宿フランス座(新宿ミュージックホール)、新宿セントラル、新宿ニュー内外ミュージック、新宿モダンアート、池袋フランス座、池袋文化劇場、池袋アウ゛ァン座(アバンギャルド)、池袋スカイ劇場、日劇小劇場、銀座コニーバーレスク、東劇バーレスクルーム、江東パリー座、五反田オデオン座、蒲田ミュージックホール、渋谷テアトルSS、渋谷道頓堀劇場、早稲田全線座、川崎セントラル、横浜セントラル、横浜新世界、名古屋の港座、納屋橋中央劇場、富士劇場、カイケイ座(開慶座)、銀映、名古屋ミュージックホール、岐阜セントラル、KBK劇場、真砂座、京都の京極小劇場、富貴、大宮劇場、伏見ミュージック、豊橋の東海劇場、大阪の道頓堀劇場(道劇ミュージック)、温泉劇場(温劇)、弥生座(PBショウ)、泉座、木川劇場、九条OS、ダイコーミュージック、千中ミュージック、尼崎の三和劇場、二光劇場、神戸の新開地劇場、寿座、金沢の立花劇場、岡山文化劇場、広島の廣栄座、徳島のSY松竹、下関の豊前座、熊本の文化劇場、福岡の川丈座(テアトル川丈)、柳橋劇場、西日本劇場などの幕間コントありのストリップ(バーレスク)ショーのパンフレット・チラシ・ポスターを集めています。
これらをお持ちの方いらっしゃっいましたら、ぜひ、適価でお譲り頂けたら幸いです。
コピーをとらせて頂くだけでも構いません。
このblogの左側のバーの西条昇のプロフィール欄に掲載されている西条事務所担当者のメルアドにご連絡下さい。

また、当時のショー・軽演劇に出演されていたコメディアン・女優・踊り子さん、ショー作者、振付師、劇場スタッフの方々のお話もぜひ、伺いたく存じます。
特に西条は、執筆調査のため、浅草の大都劇場やロック座やフランス座や東洋劇場に出演されていた、高杉由美さん、園はるみさん、伊吹まりさん、川口初子さん、津田紅子さん、柳登世さん、べテイ丸山さん、浪路笑さん、ヒロセ元美さん、千代笑子さん、奈良あけみさん、メリー松原さん、グレース松原さん、朝霧幾世(リリー丘)さん、エミー美山さん、一条ゆかり(摩耶ジュリ)さん、三冬マリさん、高原由紀さん、栗田照子さん、浅草待子さん、長谷川あけみさん、炎加世子さん、天津くるみさんといった方々にお話を伺いたく、その消息とご連絡先を探しています。ご存知の方いらっしゃっいましたら、ぜひ、よろしくお願いいたします。

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