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【西条昇の軽演劇コレクション】浅草・カジノフオーリーのパンフレット [軽演劇]

日本の喜劇史を語るうえで最大のエポックと言えるのがエノケンこと榎本健一の登場→台頭であることに異論のある者はいないだろう。
そのエノケン台頭のキッカケとなったのが昭和4年7月に浅草・水族館の二階演芸場で旗揚げされた第一次カジノフオーリーへの参加であった。
同じ浅草オペラの残党である石田守衛の誘いに応じて、水族館のアトラクションとしてのカジノフオーリーレヴューの舞台で得意のコミック・パントマイムとコミックソングなどのボードビル芸を披露するも、カジノフオーリーは不入りのため旗揚げ二ヶ月で解散。
同年10月には水族館オーナーの要請で今度はエノケンを座長格として第二次カジノフオーリーを旗揚げ。
その直後から東京朝日新聞で連載スタートしたカジノフオーリーと浅草六区が主要舞台の川端康成の小説「浅草紅團」、金曜の夜には十代中心の踊り子たちがズロースを落とすという噂、そしてエノケンによる爆笑演技が評判を呼び、第二次カジノフオーリーは浅草を代表する人気劇団となる。

僕の手元には、第二次カジノフオリーの第24回、33回、34回、45回、56回、78回の公演のパンフレット&チラシがあるが、このうち、24回公演のパンフレットにはエノケンの名前が掲載されている。
エノケンは昭和5年8月に浅草の観音劇場で新カジノフオーリーを旗揚げし、その後、浅草の玉木座でのプペ・ダンサント(昭和5年11月~)、オペラ館で旗揚げしたピエル・ブリヤント(昭和6年12月~)、東宝入りしてからの東宝榎本健一一座(昭和13年~)と、短期間で出世街道を驀進する。
ピエル・ブリヤント時代の中期までは二村定一との二人座長体制、東宝では完全にエノケンの座長芝居となるが、ボードビリアン&コメディアンとしてのエノケンの魅力が最もビビッドに発揮されたのは、ほぼ同格の仲間や人気のレヴュー・ガールズたちを小さな劇場空間で喰いまくっていた第二次カジノフオーリー時代ではなかったか。
当時のパンフにはカジノフオーリー舞踊研究女生募集広告が掲載されており、その条件は、14歳から20歳までの女子となっている。
言ってみれば当時の第二次カジノフオーリーは、今で言うAKB48みたいなアイドル的人気のあったレヴュー・ガールズと、売り出し前のナインティナインや雨上がり決死隊らが在籍していた頃の吉本印天然素材のような若手コメディアン集団を合体させたような存在だったと言ってもいいのではないか。
エノケンが脱退する寸前の第二次カジノフオーリーで上演された川端康成の「浅草紅團」のレヴュー版の舞台は、カジノフオーリーと浅草六区自体が舞台背景として登場するだけに、リアルタイムで見ることの出来た観客はさぞかし不思議な感覚を覚えただろう。僕もその観客席に居たかったな。
エノケンが喰い抜け的に新カジノフオーリーを旗揚げしたことで、第二次カジノフオーリーは石田守衛を座長格に呼び戻し、女優陣には清川虹子を迎えている。
浅草レビュー黄金時代のキッカケを作ったカジノフオーリーも、時代の流れを変えることは出来ず、昭和8年3月に解散となった。  

現在、西条昇は、戦前の浅草レヴュー・軽演劇のパンフレット・チラシ類の資料や、戦後の浅草フランス座、浅草ロック座、浅草東洋劇場、浅草公園劇場、浅草ロマンス劇場、浅草百万弗劇場、浅草国際セントラル、浅草小劇場(ショウ劇場)、浅草座、カジノ座、美人座、奥山劇場(奥山ミュージック)、大都劇場、スミダ劇場(ピカデリーショウ)、新宿フランス座(新宿ミュージックホール)、新宿セントラル、新宿ニュー内外ミュージック、新宿モダンアート、池袋フランス座、池袋文化劇場、池袋アウ゛ァン座(アバンギャルド)、池袋スカイ劇場、日劇小劇場、銀座コニーバーレスク、東劇バーレスクルーム、江東パリー座、五反田オデオン座、蒲田ミュージックホール、渋谷テアトルSS、渋谷道頓堀劇場、早稲田全線座、川崎セントラル、横浜セントラル、横浜新世界、名古屋の港座、納屋橋中央劇場、富士劇場、カイケイ座(開慶座)、銀映、名古屋ミュージックホール、岐阜セントラル、KBK劇場、真砂座、京都の京極小劇場、富貴、大宮劇場、伏見ミュージック、豊橋の東海劇場、大阪の道頓堀劇場(道劇ミュージック)、温泉劇場(温劇)、弥生座(PBショウ)、泉座、木川劇場、九条OS、ダイコーミュージック、千中ミュージック、尼崎の三和劇場、二光劇場、神戸の新開地劇場、寿座、金沢の立花劇場、岡山文化劇場、広島の廣栄座、徳島のSY松竹、下関の豊前座、熊本の文化劇場、福岡の川丈座(テアトル川丈)、柳橋劇場、西日本劇場などの幕間コントありのストリップ(バーレスク)ショーのパンフレット・チラシ・ポスターを集めています。
これらをお持ちの方いらっしゃっいましたら、ぜひ、適価でお譲り頂けたら幸いです。
コピーをとらせて頂くだけでも構いません。
このblogの左側のバーの西条昇のプロフィール欄に掲載されている西条事務所担当者のメルアドにご連絡下さい。

また、当時のショー・軽演劇に出演されていたコメディアン・女優・踊り子さん、ショー作者、振付師、劇場スタッフの方々のお話もぜひ、伺いたく存じます。
特に西条は、執筆調査のため、浅草の大都劇場やロック座やフランス座や東洋劇場に出演されていた、高杉由美さん、園はるみさん、伊吹まりさん、川口初子さん、津田紅子さん、柳登世さん、べテイ丸山さん、浪路笑さん、ヒロセ元美さん、千代笑子さん、奈良あけみさん、メリー松原さん、グレース松原さん、朝霧幾世(リリー丘)さん、エミー美山さん、一条ゆかり(摩耶ジュリ)さん、三冬マリさん、高原由紀さん、栗田照子さん、浅草待子さん、長谷川あけみさん、炎加世子さん、天津くるみさんといった方々にお話を伺いたく、その消息とご連絡先を探しています。ご存知の方いらっしゃっいましたら、ぜひ、よろしくお願いいたします。

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