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【西条昇の軽演劇コレクション】東宝古川緑波(ロッパ)一座のパンフレット [軽演劇]

古川緑波はエノケン・ロッパと並び称された喜劇界の超大物だったわりに、今、エノケンほど語られる機会が少ない。
全盛期のロッパの武器といえば、太って泰然とした雰囲気の体型にお坊ちゃん的なインテリキャラで歌うモダンオペレッタ風コミックソング、いかにもその人が言いそうなことをアドリブで真似る声帯模写(ロッパによる造語)、芝居の中の状況を的確な一言で笑いに変えるアドリブ力、時代の流れを掴んで様々な企画を次々に打ち出すプロデュース力といったところだろう。
ダウンタウンの松本人志は「ダウンタウンDX」や「HEY!HEY!HEY!」の中でその場その場の状況を的確な一言で見事に笑いに変えてみせるが、キャラは違えど、つまりロッパはああいうことを芝居の中でやるのが得意だったのだ。
しかし、この武器は舞台では活きても、映画では活かしにくい。
アメリカには、グルーチョ・マルクスやボブ・ホープやジャック・ベニーといった映画の中でアドリブ的な喋り芸を活かしたコメディアンがいたが、ロッパはそれが出来なかった。
いくつかの映画で天才的ドタバタ芸の片鱗を見せたエノケンに比べ、現在のロッパの評価が低いのは、そうしたことが大きいと思う。
また、戦後に持病などで芸に精彩を欠いたのも痛かった。
もし、ロッパの全盛期のうちに日本のテレビがスタートしていれば、その評価は違ったものになっていただろう。

アマチュア時代から声帯模写で注目され、昭和8年に浅草常盤座で旗揚げされた「笑の王国」に参加。
旗揚げの時点では、ロッパより、共に参加した徳川夢声や大辻司郎や渡邊篤のほうが世間的な知名度は高かったが、ロッパは数々の武器を活かして、すぐに座組みの中心になる。
そして二年後の昭和10年には「笑の王国」から勝ち抜け的に東宝に引き抜かれて東宝古川緑波一座(当初は東宝ヴアラエテイ)を結成し、現在の日比谷シャンテ辺りにあった有楽座をホームグランドとして活躍した。
<浅草から丸の内へ>という喜劇人にとっての出世コースを作ったのはロッパだったのだ。
エノケンも昭和13年に東宝入りして丸の内に進出するが、その芸質は丸の内より浅草の観客に向いており、むしろ映画で世間の老若男女に広くアピールすることで得点を稼いだ。

僕の手元にある古川緑波一座のパンフレットは昭和11年から16年のものだが、その頃はまさにロッパの大全盛期で、表紙のコスプレ的な似顔絵からもその勢いが偲ばれる。
戦争という困難な状況の中でも、ロッパは単なる戦意高揚劇にとどまらない傑作喜劇を上演し続けた。
一座の座付き作家として菊田一夫が健筆を奮い、若手俳優として、のちの森繁久弥や山茶花究も在籍した。
一座の幹部俳優には、戦後になってストリップ劇場の座付きコメディアンになった人の名も、二、三、見受けられる。

現在、西条昇は、戦前の浅草レヴュー・軽演劇のパンフレット・チラシ類の資料や、戦後の浅草フランス座、浅草ロック座、浅草東洋劇場、浅草公園劇場、浅草ロマンス劇場、浅草百万弗劇場、浅草国際セントラル、浅草小劇場(ショウ劇場)、浅草座、カジノ座、美人座、奥山劇場、大都劇場、スミダ劇場(ピカデリーショウ)、新宿フランス座(新宿ミュージックホール)、新宿セントラル、新宿ニュー内外ミュージック、新宿モダンアート、池袋フランス座、池袋文化劇場、池袋アウ゛ァン座(アバンギャルド)、池袋スカイ劇場、日劇小劇場、銀座コニーバーレスク、東劇バーレスクルーム、江東パリー座、五反田オデオン座、蒲田ミュージックホール、渋谷テアトルSS、渋谷道頓堀劇場、早稲田全線座、川崎セントラル、横浜セントラル、横浜新世界、名古屋の港座、納屋橋中央劇場、富士劇場、カイケイ座(開慶座)、銀映、名古屋ミュージックホール、岐阜セントラル、KBK劇場、真砂座、京都の京極小劇場、富貴、大宮劇場、伏見ミュージック、豊橋の東海劇場、大阪の道頓堀劇場(道劇ミュージック)、温泉劇場(温劇)、弥生座(PBショウ)、泉座、木川劇場、九条OS、ダイコーミュージック、千中ミュージック、尼崎の三和劇場、二光劇場、神戸の新開地劇場、寿座、金沢の立花劇場、岡山文化劇場、広島の廣栄座、徳島のSY松竹、下関の豊前座、熊本の文化劇場、福岡の川丈座(テアトル川丈)、柳橋劇場、西日本劇場などの幕間コントありのストリップ(バーレスク)ショーのパンフレット・チラシ・ポスターを集めています。
これらをお持ちの方いらっしゃっいましたら、ぜひ、適価でお譲り頂けたら幸いです。
コピーをとらせて頂くだけでも構いません。
このblogの左側のバーの西条昇のプロフィール欄に掲載されている西条事務所担当者のメルアドにご連絡下さい。

また、当時のショー・軽演劇に出演されていたコメディアン・女優・踊り子さん、ショー作者、振付師、劇場スタッフの方々のお話もぜひ、伺いたく存じます。
特に西条は、執筆調査のため、浅草の大都劇場やロック座やフランス座や東洋劇場に出演されていた、高杉由美さん、園はるみさん、伊吹まりさん、川口初子さん、津田紅子さん、柳登世さん、べテイ丸山さん、浪路笑さん、ヒロセ元美さん、千代笑子さん、奈良あけみさん、メリー松原さん、グレース松原さん、朝霧幾世(リリー丘)さん、エミー美山さん、一条ゆかり(摩耶ジュリ)さん、三冬マリさん、高原由紀さん、栗田照子さん、浅草待子さん、長谷川あけみさん、炎加世子さん、天津くるみさんといった方々にお話を伺いたく、その消息とご連絡先を探しています。ご存知の方いらっしゃっいましたら、ぜひ、よろしくお願いいたします。

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