ジャニーズの語り部=V6イノッチの本はなかなか面白いねー [ジャニーズ]
ジャニーズ事務所の携帯サイト「Johnny's Web」では、何人かのジャニーズ・アイドルたちが日記を連載してるけども、その中からV6のイノッチの日記「イノなき」が先月、単行本にまとめられたんで、発売間もなく購入した。
これが、なんと690ページ近くあって、国語辞典並みのブ厚さ。
1000日分の日記が収録されてるワケだから、まあ、そのくらいのページ数にはなるわなー。
一言で言えば「アイドルの日常」ってことになるんだけど、忙しい中、よく書き続けてるよねー。
一昔前までのアイドルって、今ほど衒いなくサックリと自分自身の気持ちや生活情報を発信し続けるなんてことはなかったからね。どこか現実離れしてるというか、一般の人の暮らす日常とはかけ離れた非日常の中にいるみたいで、ナゾめいた匂いがしたもんでさ。歌やドラマで表現される個性は、あくまで<フィクション>であって、ファンの想像力や飢餓感を巧みにコントロールしつつ、アイドル=偶像というイメージを守り続けてたワケだよね。
だから、その頃のアイドルのエッセイ本とかって、ホントに<作られた感>というか人工的な感じがしたもんでね。
それが、90年代前後から、男性アイドルでも女性アイドルでも<作られたアイドル像>ってだけでは保たない時代になっていって。
ジャニーズ・アイドルでは、やっぱりSMAPの功績が大きいよね。彼らが飾り気ない感じでお笑い芸人顔負けのコントを演じたり、アイドルが語らなかったような本音っぽいトークをしたりするようになって、アイドルってイメージが随分広がったというか。
インターネットの普及とかもあって、求められる情報量も変わっていったし。
<フィクション>を演じるだけでなく、その<メイキング>的な要素の部分だとか<ノンフィクション>的なことも求められる時代になったからねー。
そのタレントがどんなことを思いながらその仕事をしたのかということを、事前に読んだりして分かったうえで、その仕事を見ると、その分、いろいろな楽しみ方ができるし、思い入れも深くなるしね。ファンとの結びつきも強くなると。
<ブログの女王>眞鍋かをりとか、しょこたんブログとかが大ウケするのも、そういう時代だからなんだろね。
そんなワケで、「日経エンタテインメント!」でも「アイドル武者修行」と題するコラムを連載してるイノッチは、今や、ジャニーズ・アイドルを代表する語り部的な存在になりつつあるよね。
彼の文章は変な気負いも衒いもないから、読みやすいと思うし。
去年に単行本化された「アイドル武者修行」を読むと、「へえー、アイドルって、こんなことをしたり、考えたりして、毎日を過ごしてるのかー」と思わされる箇所が結構あったしね。
特に興味深かったのは、「バカにならない花とチケット代」って章かな。
親交のある芸能人が舞台公演に出演する際に花を送る場合、ジャニーズ事務所では送る側のタレント個人が費用も含めて手配をするってことが書かれてあったり。
自分たちのコンサートチケットも、友達や親戚の分は自分で買ってるとか。2ヶ月前から、まだ予定の立ってない友達や親戚にある程度は電話で確認して「誰がいつ何枚・・」って予想しつつ予約を済ませたら、自分で郵便局に代金を支払いに行ってるそうだ。その後も誰にどの席に座ってもらうかっていう、まるで結婚披露宴の席決めみたいな事務作業も本人がすると書かれている。
そこまでタレント本人がしてるとは意外だし、面白いよねー。
他にも「ジャニーさんがしてくれたこと」なんて章もあるから、未読のかたは是非読んでみてはどうですかー。