アクション連載「昭和の中坊」と宇能鴻一郎先生のこと [マンガ]
漫画アクションで少し前から始まった、原作・末田雄一郎、作画・吉本浩二の連載「昭和の中坊」って漫画が面白いねえ。
どんな漫画かは、ページの端っこにある「この物語は」っていう設定解説文をそのまま引用することにしよう。
「1977年(昭和52年)。インターネットはもちろん無く、ビデオもまったく普及していなかった東京に、ニゴシ、滝沢、丸木により結成された中1エロエロ3人組がいた。これは、昭和の中坊たちが、エロネタを必死に集め、大人の階段を登っていくさまを描いた涙と笑いの物語である。」
と、まあ、そんな漫画なんだが、何を隠そう、この僕も1977年には東京の中1だったからね。
出てくるエピソードが実に懐かしいし、共通体験的なことも少なくないのだ。
永井豪の漫画「キューティーハニー」でドキドキしたり、父親の買ってくる大人の週刊誌を一人で盗み見したり、ヌード・シーンの出てくる番組を音が親に洩れないようにテレビごと布団を被ってコッソリ見たりね。
僕の場合は巨泉さんが司会の月曜「11PM」をやっぱりテレビごと布団被って見たっけなー。
父親の買ってきた週刊大衆も楽しみに読んでた。あと、奈良林祥の「HOW TO SEX」とかね。
大人系週刊誌で何より楽しみだったのは宇能鴻一郎先生の連載官能小説だったんだよねー。
例の「あたし、ジュンって濡れちゃったんです」って感じの女性の告白文体のやつね。もう、読んでて、グイグイと宇能ワールドに引き込まれちゃった。また、設定が絶妙だったし。
宇能さんて人は昔、純文学作品で芥川賞を受賞した後にガラリと文体を変えて、大衆官能小説家に転じた人でね。変わった方というか凄い方というか。我が国の官能小説史の中では飛び抜けた存在でしょ。
僕は宇能作品が大好きでねー。先生の本は、その後、告白体のもの以外にも、初期の純文系のものとか、淡月斎シリーズとか、食に関する随筆とか、別の筆名で書いた推理小説とかを買い集めたりしたほどなのだ。
先生へのオマージュとして、宇能作品の再評価運動をやってみたいと思ってるんだけどね。
「昭和の中坊」にもそのうち宇能作品のことが出てこないかなあ。
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